こんにちは、かがみです。
ここ最近、フィルムカメラ熱が6年ぶりくらいに復活しまして、カメラから離れていた期間を取り戻すように写真を撮りまくっています。笑
また並行して昔よくやっていた、ジャンクカメラを購入して清掃、必要であれば修理を行って、試し撮りをするという遊びもやっています。
今回新たにジャンクカメラを購入しました。
名前は「Nikon FG」。
ニコンが1982年5月に発売したフィルムカメラです。
前機である「ニコンEM」をベースに、プログラムAE(P)、絞り優先AE(A)、マニュアル露出(M)を搭載した機種で、愛称は「プログラム・ニコン」です。
実はこのカメラ、ニコンの銀塩カメラの歴史をwikiで調べていたら、筆者が生まれた年に発売されたカメラということで気になっていたんですよね。
小さくて軽いエンプラ製のフィルムカメラなので、スナップ写真機としてもいいなぁと思ったので、ひとまず値段はどんなものかなとヤフオクで相場を調べてみると、あら意外と安め。
標準レンズ付きでも数千円という安さだったので、そこそこ外装が綺麗で最低限シャッターが切れるという個体をズームレンズ付き「¥3,890」で落札しました。
自分でもびっくりするくらい、悩むこともなく手に入れてしまいました。笑
おそらく同い年のカメラということで、当然入手すべきと無意識に思っていたんでしょうね。
もともと少し前に同じくジャンクで「Nikomat FT2」を購入していて、改めてニコンのフィルムカメラの質の高さとデザインの良さを感じていたのもあります。
ということで、前置きはこのくらいにして「Nikon FG」のシャッタースピードの修理について方法などを説明していきます。
CONTENTS[ hide ]
Nikon FGの持病について

「Nikon FG」には、フィルムカウンターをリセットしてから1になるまでは空シャッターを押すと、強制的にシャッタースピードがM90(機械式シャッターの1/90)に固定されるという機能があります。
これはプログラムオートや絞り優先AEを設定時にレンズキャップを装着していたり、真っ暗な場所でシャッターを切るとシャッタースピードが極端に遅くなってしまうので、それを防ぐ&故障と勘違いしないようにする親切機能みたいなのです。
この機能のための配線が、フィルム巻き上げレバー軸からフィルムカウンター盤に繋がっているわけなんですが、今回の個体のようにシャッタースピードがM90のまま変化しなかったり露出計にも影響が出ることもあるようなので、この機能をカットして正常にシャッタスピードを計算してもらえるように修理しようと思います。
Nikon FGを分解していく

Nikonの銘板を外したところ。
プログラム・ニコンという愛称なだけあって、メカニカル式カメラと違ってなんか電子的。笑

トップカバーの外し方は、Youtubeで「Nikon FG トップカバー」と検索すると動画が出てくるのでそれを参考にしてみてください。
あとフィルムカメラの分解には、以下のような「カニ目レンチ」や「ゴム吸盤オープナー」などがあると便利です。
というか無いと分解は難しかったです。
配線を短絡処理する
すみません、作業に集中していたため、肝心の配線処理の部分について写真を撮り忘れてしまいました。
なので、今回の修理の参考にさせていただいたサイトから配線部分の画像を引用しました。
修理方法ですが、フィルム巻上げレバー軸の基板側で「黄色い配線」を短絡処理します。
今回筆者が行った方法は上の図とは少し異なるのですが、まずフィルム巻き上げレバー軸とフィルムカウンター盤から「黒い配線」をハンダゴテで取り外します。
次に、フィルムカウンター盤から「黄色い配線」を取り外し、フィルム巻き上げレバー軸基板上の「黒い配線」が付いていた箇所に、フィルムカウンター盤から取り外した側の「黄色い配線」をハンダ付けします。
見た目的には、フィルム巻き上げレバー軸の基板上で「黄色い配線」がブリッジするような形になります。
取り外した「黒い配線」は、不要です。

修理が終わったのでトップカバーを組み上げて、完成です!
これでフィルムカウンターが1になるまでシャッタスピードがM90(機械式シャッターの1/90)に固定されることは無くなり、プログラムオートや絞り優先AE時は自動的にシャッタースピードを計算、マニュアル露出時は設定したシャッタースピードで切れるようになります。

ところで「Nikon FG」にセットでついてきた「AI Zoom-NIKKOR 43~86mm F3.5」というこのオールドズームレンズ。
筆者は単焦点レンズが好きなので、このレンズ自体はあまり興味が無くおまけ程度に思っていたのですが、ちゃんとこれも歴史を調べてみるととても面白いのです。
「ヨンサンハチロク(ヨンサンパーロク)」の愛称で親しまれた標準ズームレンズの元祖らしく、今回ついてきたレンズはそのAI版になります。
写りの特徴としては、収差や周辺の流れがすごい、ピントを合わせたのになんとなくしゃきっとしないなど、クセ玉としてコアなファンもいるようです。
あと実はこれ直進ズームタイプで、レンズを前に引き出すとレンズが伸びてズームするんです。
この見た目と操作方法が面白くて、写りもクセがあるということで、変わった物好きな自分としてはすっかり気に入ってしまいました。笑
「Nikon FG」とセットで試し撮りが楽しみです。
終わりに
ひょんなことから「Nikon FG」や「AI Zoom-NIKKOR 43~86mm F3.5」の歴史を知り、そして今回手に入れた個体を無事に復活させることができました。
この「Nikon FG」、筐体はエンジニアプラスチック製で、昔の金属の塊のようなフィルムカメラが好きな自分は最初まったく興味が無かったのです。
でも発売した年が自分の生まれた年と同じということ、「リトル・ニコン」の愛称で親しまれた「Nikon EM」の後継機なので見た目も小さくて可愛い、ジャンク品だったけどなんとか修理して復活させることができたという過程を経て、すっかり愛着が湧いてしまいました。笑
フィルムカメラは歴史を知ったり、手間暇かけて整備してあげることで思いも寄らない機種が好きになることがあるので、本当ジャンクカメラ遊びはやめられないですね。
ということで、今回は以上です。